「メタバース」という単語、一度は聞いたことのある人も多いでしょう。
メタバースは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語で、インターネット上に構築された3次元の仮想空間や仮想空間を使ったサービスを指します。
利用者はオンライン上に構築された3次元コンピュータグラフィックスの仮想空間に世界中からアバターで参加し、相互交流しながら買い物や商品の制作・販売といった経済活動を行えます。
メタバース市場の拡大
メタバース市場は2024年には8,000億ドル(約100兆円)に達すると予想されています。これは、メタバースがビジネスの新たなフィールドとして注目され、多くの人々が副業としてメタバース上でのビジネスを始める可能性があることを示しています。
メタバース市場は急速に拡大しています。Bloombergの推計によると、2020年に4787億ドルだったメタバースの市場規模は、2024年には7833億ドルにまで拡大すると予想されています。また、国内外のメタバースの市場規模は2024年には約111兆円にまで成長すると予想されています。
この市場拡大の背景には、以下の要素があります。
1. 技術の進歩
通信技術の向上やコンピューターの処理性能の向上、メタバース向けデバイスの登場などが挙げられます。
2. リモートコミュニケーションの普及
コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のコミュニケーションの機会が対面からリモートに移行しました。
3. 若年層へのメタバースの普及
現在メタバースはオンラインゲームでの用途を中心に若年層のユーザー数が急増しています。
4. NFTを含むWeb3への注目の高さ
ブロックチェーン技術の発展により、NFT発展の土壌が整ってきたことや、2021年〜2022年にかけてNFTの高額売買が立て続けに行われ世間を賑わせたことなどにより、NFT /Web3への注目度が高まりました。
2024年のメタバーストレンド
2024年のメタバースのトレンドは、以下のような予測がされています。
メタバースを使った副業
メタバースは、子供たちが副業として活用できる新たな場を提供しています。例えば以下のような活用方法があります。
1. デジタルアートの制作・販売
メタバース内でデジタルアートを制作し、それをNFT(非代替性トークン)として販売することが可能です。これにより、子どもたちは自分の創造力を活かして収入を得ることができます。
2. ゲーム内アイテムの取引
メタバース内のゲームでは、ゲーム内アイテムを取引することが可能です。子どもたちはゲームをプレイしながらアイテムを集め、それを他のプレイヤーに販売することで収入を得ることができます。
3. バーチャル不動産の取引
メタバース内では、バーチャルの土地や建物を購入し、それを貸し出したり、売却したりすることが可能です。これにより、子どもたちは不動産取引を通じて収入を得ることができます。
メタバースプラットフォーム
2024年にはビジネス向けのメタバースプラットフォームの登場が期待されています。
ビジネス向けのメタバースプラットフォームとは、ビジネスに特化したメタバースプラットフォームのことを指します。例えば、ビジネス向けのメタバースプラットフォームでは、ビジネスに必要な機能が提供されており、ビジネスでの利用に適した環境が整備されています。
例えば、メタバース上での商品販売や、メタバースを利用した新しい広告手法などが挙げられます。これらのビジネスチャンスは、メタバースが普及するにつれて増加すると予想されます。
VRChat
VRChatは、ユーザーが自分自身のアバターを作成し、他のユーザーと交流できる3D仮想空間を提供しています。ビジネスでは、商品展示やイベントの開催などに利用されています。
Roblox
Robloxは、ユーザーが自分でゲームを作成し、他のユーザーと共有できるプラットフォームです。ビジネスでは、ブランドプロモーションや教育、トレーニングなどに活用されています。
Cluster
Clusterは、大規模なオンラインイベントの開催が可能なプラットフォームです。コンサートや展示会、学会など、さまざまなビジネスイベントに利用されています。
The Sandbox
The Sandboxは、ユーザーが自分の仮想土地を所有し、ゲームを作成できるプラットフォームです。ビジネスでは、ブランドの仮想土地の販売やプロモーションに利用されています。
Decentraland
Decentralandは、ブロックチェーン技術を基盤にした仮想世界です。ユーザーは仮想土地を購入し、その上に建物を建てたり、アートを展示したりすることができます。
ZEPETO
ZEPETOは、自分のアバターを作成し、他のユーザーと交流できる仮想空間を提供しています。ビジネスでは、ブランドコラボレーションや商品販売に利用されています。
NFTとブロックチェーンの活用
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)はブロックチェーン上で管理ができるトークンの1つであり、デジタル資産の所有者や取引履歴の管理と追跡を可能にします。
デジタルデータは本来複製が可能ですが、NFTは所有権や取引記録を含むことで「唯一無二」にすることができます。
これにより、デジタルアートやゲーム内アイテムなど、デジタルデータにも資産価値が付与され、取引できるようになりました。
NFTとブロックチェーン技術により、ユーザーは仮想空間内でアート作品や土地、アバターなどを購入、販売、交換できます。
eスポーツとエンターテイメント
メタバースは、eスポーツやエンターテイメントの新たな舞台となります。大規模なeスポーツイベントやコンサート、映画上映などが仮想空間で行われることが増えていくでしょう。
2024年に開催される大規模なeスポーツイベントとして「東京eスポーツフェスタ2024」があります。このイベントは、2024年1月26日(金)から28日(日)まで、東京ビッグサイト南1・2ホールで開催されます。
eスポーツの普及と関連産業の振興を目的として、eスポーツの競技大会と関連産業展示会等が行われます。また、リアルとオンラインのハイブリッド開催が予定されており、6タイトルの競技が行われるほか、トレンドセミナーや体験企画・学習企画なども実施されます。
メタバース上での接客業
メタバース上での接客業の副業では自宅にいながら仕事ができて、時給2,000円の案件もあります。これは、メタバースが新たな働き方の場として認識され、様々な職種がメタバース上で可能になることを示しています。
メタバース空間での接客業の求人情報はIndeedや株式会社メタバーズなどで見つけることができます。パーソルマーケティングでは、メタバース空間でアバターを通じて販売や接客にあたる人材の育成に乗り出し、2年で3000人の稼働を目指しています。
また、株式会社メタバーズでは、メタバースおよび生成AI関連サービスのインサイドセールス、カスタマーサクセス、カスタマーサポートなどの職種を募集しています。
まとめ
本記事では、2024年のメタバースのトレンドについて紹介しました。
メタバースは3次元の仮想空間で、ユーザーはアバターで参加し、経済活動を行います。2024年には市場規模が約100兆円に達すると予想されています。
市場拡大の背景には技術の進歩、リモートコミュニケーションの普及、若年層へのメタバースの普及、NFTを含むWeb3への注目の高さがあります。
メタバースは副業の新たな場としても注目されており、デジタルアートの制作・販売、ゲーム内アイテムの取引、バーチャル不動産の取引などが可能です。
また、ビジネス向けのメタバースプラットフォームの登場が期待されています。これらのプラットフォームでは、商品販売や新しい広告手法などが可能となります。メタバースはeスポーツやエンターテイメントの新たな舞台ともなっています。